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未来へのトリックオアトリート 第1章 #A.D.2032

 あらゆる問題を科学で解決し、平等で平和な世界を実現しつつあった統一政府。しかし、それは、まやかしであった。この世界は決して平等ではない。ただ、「魔女」であるというだけで、罪とされる世界であった。魔女狩りは様々な手段で人目に付かないようにしながら、確実に魔女を追い詰め、殺した。
 しかしそれでも、表面上、世界は平和を保たれていた。それさえも破られたのは今から一か月前。世界中で突如発生した化け物によるテロが発生した。大きな槍を構えた巨大な蟻の化け物は、世界中のほぼ同時に出現し、人々を襲い、殺した。このテロがどうやって起こされ、そしてどうやって収束したのか、ほとんどの人が知らない。それは、本当に、本当に最後の神秘からの抵抗で、そして、それを人知れず解決したのも、ごくわずかに残った神秘達だった。そうして、ほとんど共倒れ同然に力を失った神秘は、ひとかけらの種子をこの世界に残した。それは「現象化パッチ」。出所不明のそのプログラムは現代の魔術師マジシャン、ARハッカー達の手に渡る。それは本来、ARウェアラブルデバイス、オーグギアを通さなければ認識出来ないはずのAR体の存在を実体化させるプログラムだった。ARハッカーの中に犯罪行為を辞さない者もいる。ただ、自分が楽しむためだけにその技術を使う者もいる。そして、「現象化パッチ」による事件やテロが多発。それは、統一政府の謳う「科学による平和」が崩れつつある証であった。

 

 そんな中、日本、ユグドラシルシティ近郊。
「あぁ、だめ、ちぎれる……っ!」
 ブチンと、音がして、そしてドスンと大きな音が鳴る。
「あー、大丈夫、エレナ?」
 心配そうに二人の少女、アリスとジャンヌが、落下してきた少女、エレナを見つめる。
「流石にフィクションみたいにはいかないね」
「ここまできて、この壁を越えられなかったらとんだ無駄足ね」
 三人の魔女と同行する魔女の一人、プラトがぼやく。
「まぁまぁ、プラト、そう言わんと」
 またもう一人が窘める。
「でも、プラトの言う通りよ。この壁を越えられなかったら、何のためにここまで来たかわからないわ。何とかして考えましょう」
 と、みんなを元気づけるエレナ。
「それじゃあ、いっそ、ボクが壊して穴を開けちゃおうか?」
 と、元気に言う魔女の一人、ソーリア。
「それはだめよ。それは魔女連合のルールに反するわ」
「そもそも、この壁を超える事だって本当は違法じゃない?」
「あ」
 ソーリアの指摘に、本気で失念していたらしいエレナ。
「ならどうするのよ。この街に入れなきゃ私達はおしまいよ?」
 ジト目のプラト。
「か、カラスヘッドの濃霧を使って、警備の隙間をすり抜ける?」
「結局、合法じゃないわね」
 バッサリと切り捨てるプラト。
「こうしましょう。これは魔女法のせいで入れないわけだから、それを無理やり入るのは、まだルールの範囲内。でも、何かを傷つけたりするのはアウト」
「それなら、筋は通るわね。無理やり検問所を抜けたり、壁を壊したりするのはアウト。でも、気づかれないように侵入するのはセーフってわけね」
 エレナの言葉に頷くプラト。
「ちぇー、壊したかったなー」
「あんたはその物騒な性格をなんとかしなさい」
「無駄話してたら日が昇っちゃうわよ。なんとしても夜のうちにこの壁を超えないと」
 アリスが手をパンパンとたたいて、ソーリアとプラトのやり取りを終わらせる。
「ねぇ、ジャンヌ、この壁にこう垂直の壁をはやして、階段に出来ない?」
「それは……壁じゃなくて床じゃないですかね?」
「もー、ジャンヌは頭が固いのよーー。いつも言ってるでしょー、魔女にとって大事なのは……」
 ブブッとエレナのスマートフォンがバイブレーションする。
「メール? 誰が?」
 エレナはスマートフォンを確認する。エレナの見覚えのないメールアドレス。件名を確認すると、【Dear:魔女連合 御中】。
「……怪しい事この上ないわね」
 覗き込み一言呟くアリス。
「まぁとりあえず本文を確認してみましょう」
 躊躇なく、タップするエレナ。
【はじめまして。私の事は君たちの協力者だと思ってもらいたい。そして、私は魔術師、ARハッカーだ。君たちのユグドラシルシティ入りに協力出来る。まずは一つ前の街まで戻って、駅に向かってほしい。そして、その駅でこのスマートフォンを使う事で、君たち全員分のユグドラシルシティまでの乗車権利を得られるようにするから、それを使ってユグドラシルシティまで来ればいい。街と電車内では、私がオーグギアにクラッキングをかけて、君たちが発見されないようにする。街についたら、返信してくれ。このスマートフォンに乗車権利を付与し、それからこのスマートフォンを基準に周囲のオーグギアにクラッキングを開始する】
「よし、街に戻るわよ」
「信じるの? だいたい、あっさりタップしすぎよ、不用意すぎるわ、ウイルスが仕込まれてたらどうするのよ」
 あっさりと決めるエレナに、ジト目で責めるプラト。
「魔女狩りなら、このスマートフォンを特定した時点でその位置情報に向かってくるわよ。わざわざメールなんてしないわ。そういう事よね?」
「流石アリス。そう、敵ならこんな回りくどいことはしないわ。まぁもし敵だったとしても安心していいわよ。こんな罠にはめないといけないような相手なら、私達なら負けないわ」
 
『ユグドラシルシティ、ユグドラシルシティです。ユグドラシルシティ環状線、地下鉄線、ニュートレイン線は御乗換えです。世界樹への観光の方は駅を出て左のバス停からバスをご利用ください。お降りの方は精算のためオーグギアの電源と量子通信の状態を御確認ください。次はユミルに止まります』
「ほらね、別に罠じゃなかったでしょ?」
「確かに……」
 ユグドラシルシティは統一政府に対して中立を宣言している。ここに魔女狩りはいない。少なくとも魔女連合に悪意のある敵が駅の外に待ち構えている可能性は低い。
「さ、早く行きましょう。わざわざホテルの予約までしてるんだから、チェックインしそびれたらたまらないわ」
 アリスが全員を急かす。
「駅前のビジネスホテルでしょ? 別にそんな急ぐ事もないよ、出てすぐなんだからさー」
 一行は駅を出て、ホテルに入る。

 

「部屋割り決めよう! くじびきくじびき!」
「修学旅行じゃないのよ……」
「私、修学旅行ってちゃんと行った事ないです」
「ボク、プラトとは違う部屋がいいなー」
「どういう意味よ……」
「どうも、緊張感に欠けるわね」
 というような一幕の末、エレナ、アリス、ジャンヌは一つの部屋に入る。
「あ、メール。少ししたら伺います、って」
「さっきのハッカー? まぁ、あれほどの腕前だったら、仲間に引き入れたいとは思うけど……」
「そうよね。まぁ、そうでなくても助けてもらったお礼くらいはしないと」
「でも、警戒は忘れないでね。あ、私はもう限界。お風呂使わせてもらうわよ」
 アリスはさっさと話を切り上げてお風呂に向かう。アリスはお風呂が好きである。そして、逃避行中はお風呂にはそうそう入れないので、アリスが早くお風呂に入りたい、限界だ。という気持ちはわかるので、二人は何も言わない
「でも、人と会うなら、私達もお風呂に入っておいた方が良いかもしれませんね。匂ったりすると嫌ですし、女性として」
 ジャンヌの言う事はもっともなように思えた。というわけで、
「アリス―、私もお風呂入るわー」
「は? ちょっと、三人なんて入れないわよ。いくらなんでもエレナでも無理よ、ばっかじゃないの」
「大丈夫大丈夫ー、ちょーっと、エレナせんせーの新しい魔法を披露してあげるわー」
「爆発しないわよね??」
「しないしない。これは海王星のエネルギーよ?」
「海王星から空間拡張の感じなんて全然しないんだけどー。あと、海王星の氷ってね、水だけじゃなくて、アンモニアやメタンも含むのよ!?」
「流石、アリスは博識ねー」
「ジャンヌ、ジャンヌ! アリスを止めて!」
「最近、ずっと気を張ってましたし、せっかくこうやってふざけてるエレナを止めるのは申し訳ないです……」
「だったら、ジャンヌも来なさい! どうせなら巻き添えにしてやるわー」
 
 約一時間後。
「はー、楽しかったー。火の玉宇宙ビッグバンのエネルギーでようやく空間拡張を成し遂げたと思ったら、お湯が超高温になるなんて思いもよらなかったわ」
「私が咄嗟に海王星のエネルギーを展開しなかったらまずかったわよね、アレ」
 ウキウキのエレナと、気持ちげっそりしたアリスがお風呂から出てくる。ちなみにジャンヌはもっと早くに伸びてしまったのでベッドに寝かせている。
「……、誰?」
 ところが、三人の部屋に、招かれざる客が一人。
「下着泥棒……って雰囲気じゃないわね。エレナの服を漁ってるのは間違いないみたいだけど」
 そこにいたのは、カボチャ頭の怪人であった。
 キュポンと、フィルムケースが開かれる音がする。エレナが抽出した宇宙のエネルギーを蓄えているアイテムで、エレナが魔法を使うための触媒でもある。
「動かないで、さもないと……」
 パァン。と、破裂音が響き、エレナの腕から、フィルムケースが離れる。
「後ろ!」
 とっさに振り替えるアリス。そこにいたのは、もう一人のカボチャ頭の怪人だった。持っているのは、クラシックなライフル銃、SMLE-Lf小銃リー・エンフィールドだ。一人は銃撃により怯み、一人は後ろを向いているその隙をついて、エレナの服を漁っていたカボチャ頭が二人の間をすり抜け、廊下に逃走し、銃を持ったカボチャ頭もそれに続く。
「大丈夫、エレナ?」
「うん、フィルムケースだけを精密に射撃したみたいね」
 アリスは追うよりも、エレナを優先した。
「とりあえず、何を取られたか確認しましょう」
「うん」
 アリスの言葉にエレナは頷き、服を確認する。服は全部無事、だが。
「フィルムケースがいくつかない……」
「無いのは何?」
「えーっと、木星、中性子星、月……それに、彗星!」
「彗星のエネルギーって使ってるの見た事ないわね」
「うん、貴重なのよ。それにちょっとエネルギーが強すぎて、どう使うにも、影響が大きすぎてね……」
「それって危険じゃない? 奴らの目的はそれかも」
「そうね、急がないと。……でも、その前に、約束の時間ね。ジャンヌを起こして、ハッカーさんに会いに行かないと」
 立ち上がるエレナ。それに少し遅れて立ち上がるアリス。
「どうしたの、硬い顔して? 笑顔にしてないと、幸せが逃げちゃうよ? 笑顔の魔法って、ね」
 それはエレナがいつも言っている事だった。
「そうね。行きましょう」

 

 ホテルの一階に降りると、一人の男が、座って待っていた。
「魔女連合の人? 俺は匠海たくみ。ナガセ・タクミだ」
 三人の女性が下りてきたのを見て、立ち上がって話しかけてくる。
「オーグギア……!」
「あぁ、安心してくれ、通報装置は解除してある。というか、俺は魔術師マジシャンだからな。オーグギアなしでは生活出来ないよ」
 顔を見て即警戒心をあらわにする三人に、なだめるように答えるタクミ。
「とりあえず、助けていただいた事はありがとうございます。魔女連合を代表して、このエレナが感謝の言葉を述べさせていただきます」
 と、つらつらとエレナが述べる。
「エレナさんか。確かスマートフォンの契約は成瀬なるせ……」
「魔女は魔女名で名乗りあうのが流儀ですので。本名は気にしないでください」
「なるほどね」
 納得したように頷くタクミ。
「改めて話をさせてほしい。俺は、魔女狩りというものがこのままあってはいけないと思う。これまでもいろんな方法で魔女狩りと戦ってきたんだ。君たちの事を知ったのは、そのつながりでオラルドさんと知り合って話をする機会があったからなんだ」
「オラルドさんと……」
 オラルドは、彼女たちをかくまってくれた人たちだ。今も色々と魔女連合に融通を効かせてくれている。
「わかりました。私達も電子系に強い味方がいれば助かると思っていた所です。明日の朝、改めてみんなと話し合った上でにはなりますが、あなたを仲間として認めましょう」
「あ、まってくれ。俺は一人じゃないんだ」
 といって、オーグギアを操作しているらしく、空中で何やら腕と手を動かす。
 そして、空中に小さな人、妖精が出現する。
「こいつは俺の相棒の妖精。君たちはオーグギアを使えないからあんまり役に立たないかもしれないけどな」
「タクミ! 私を呼ぶのも遅いと思ったら、説明まで雑とは何事?」
「喧嘩はよそう。これは戦争なんだ」
「むぅ。わかったわよ。私は”妖精”。よろしくね、三人とも」
 妖精が三人に微笑みかける。
「現象化パッチですか? それに、戦争って」
「あぁ、戦争については気にしないで、私達の合言葉みたいなものなの」
「そう。こいつは見ての通りAIのAR体でな、お前たちに紹介するにはこうしないと合わせてやれないから」
「そんな事より、何か困った事があったって顔ね? 私のメンタルチェックプログラムにそう出てるわ」
「そんなプログラムいつ取得したんだ?」
 妖精の言葉に驚愕するタクミ。
「はい、実は……」
 と、事情を説明するエレナ。
「ふむ。それなら何とかなるかもしれない。ユグドラシルシティは世界樹を守るために監視カメラが多いからな」
 世界樹。このユグドラシルシティの所以でもあるメガサーバである。世界中の機密情報が保存されていて、世界全体の資産とでも言うべきものだ。
「じゃあ、私とタクミでそのカボチャ頭の足取りを調べてみるから、その間に仲間と話しつけてきてよ。追うなら戦闘員が多い方が良いでしょ?」

 

 追跡は早かった。優秀なクラッカーであるタクミはすぐに彼らの隠れ家を特定した。魔女たちは速やかに追跡を開始する。もっとも、さっさと寝てしまった魔女も多く、メンバーは、エレナ、アリス、ジャンヌ、プラト、ソーリア、カラスヘッドの6人のみであった。それにタクミと妖精を加えた8人である。
「こいつら、よくわからない、”裂け目”のようなものを空中に作り出して逃走してる。ワープ、みたいな」
「魔法かしら?」
「まぁ、現象化ではこんなことは出来ないと思うが」
「相手がまた逃げそうになったら、私達もその穴に飛び込んでみるべきかもしれないわね」
 そして、その場所はユグドラシルシティの壁際辺りにある、廃屋だった。
「ボクが扉を吹っ飛ばすから、上手く突入してね」
 というと同時、ソーリアの腕の先から火球が出現し、まっすぐに飛翔、扉を破壊した。
「カボッ!?」
 カラスヘッドによって濃霧が出現する。これはカラスヘッド自身が己の魔法を有効活用するためのものだが、他にも使い道がある。このように。
Wee Willie Winkieウィー ウィリー ウィンキー runs through the town街を駆け回る,
 Up stairs and down stair階段を上り下り in his night-gown寝間着を着て,
 Tapping at the window窓を叩いて, crying at the lock鍵穴から叫ぶ,
"Are the children in their bed子供たちはベッドに入ったかい, for it's now ten o'clock十時だよ?"」
 相手を眠らせるアリスの魔法、「ウィー・ウィリー・ウィンキー」が……。
 パァン。
「カボカボッ!」
「嘘、効いてない?」
 咄嗟に、カラスヘッドがその魔法を発動させる。「対象が思う恐怖の形を具現化させる」魔法。本来は、演出を駆使して相手に恐怖の形を与えてから使う事で能力を制御しているのだが、アリスが危険であったため、緊急的に発動させた。
 果たして、カボチャ頭はこの霧が爆発性のものである事を恐れたらしく、霧が突然爆発。カボチャ頭は爆発の中心で、焼け死んだ。
「なんで、アリスの魔法が効かなかったのかしら?」
 とプラト。
「魔法に耐性があったのかもよ? ゲームとかだとよくあるじゃん?」
「でも、カラスヘッドの魔法は効いたけど……」
 疑問を覚えながら進むと、奥の倉庫で4人のカボチャ頭が待ち構えていた。4人が一斉に銃を構える。
「させないよっ!」
 ソーリアが火球を発射し、射撃を妨害する。
 しかし、その炎を意に介さず、カボチャ頭は射撃。
「させません!」
 ジャンヌの壁がそれを阻むが、クラシックな銃とは思えない火力で、その壁が削られていく。
「そんな!」
「ジャンヌ、もっと自分を強く持って!」
「してます。なのに、物理的に壊されてるんです」
「仕方ない、エレナ。あれを使うよ」
「わかった」
 アリスの声に頷いて、エレナがフィルムケースを取り出す。しかし、壁の空いた穴から精密に、そのフィルムケースを狙撃されてしまう。
「おっと!」
 しかし空中に投げ出されたフィルムケースをタクミがキャッチ。
「こうか!」
 フィルムケースの中を開けて敵にかざすが、不発。
「魔女の力は魔女じゃないと使えない!」
 と、プラトがそれをひったくって、投擲する。
 木星のエネルギーであるそれは、猛烈な雲を展開する。そして、アリスが歌う。
Twas brillig あぶりの時, and the slithy tovesそしてしゅるりとしたトーヴ
 Did gyre and gimble in the wabe遥かな場所で廻り穿つ;
 All mimsy were the borogoves全て弱ぼらしきはボロゴーヴ,
 And the mome raths outgrabeこうして遠きラースはうずめき叫ぶ.」
 雲の中から巨大な化け物ジャバウォックが出現し、カボチャ頭をなぎ倒す。
「か、カボー」
 カボチャ頭は閉所では不利と悟り、”裂け目”を作って逃走する。
「あ、まて」
 そして、魔女たちもそれに続く。
 そこは、廃墟であった。そして、白い巨人がエレナ達の前に立ちふさがった。
「デカァッ!」
 と、叫ぶソーリア。そして、右から同じ声が上がったのが聞こえ、全員が一斉に右を見る。
 向こうも一斉にこちらを見ていた。
 刀や未知の刻印、明らかに全うではない弓、カボチャたちが使っていたのと同じ、クラッシックな銃。そして、タクミが連れているのと同じような妖精。彼女たちはもしかして……。
「あなた達、魔女?」
 エレナが問いかける。右の集団が首を傾げたその時、空中に再び”裂け目”が出現し、SF映画に出てくるような宇宙船と、翼竜のような奇妙な形状の宇宙船が飛び出してくる。
 最初に飛び出してきた宇宙船は、白い巨人に衝突しかけ、スラスターを使って、衝突を回避するが、それによって大きく推力を失い重力に従い落下を始める。と、緑色のラインが翼竜型の宇宙船に打ち出され、翼竜型の宇宙船が、最初の宇宙船を支える。
「えぇー。もうなんなのー」
 右の集団の妖精の叫び。
「危ない!」
 その直後に、エレナが叫ぶ。白い巨人がそのつめを宇宙船に向けて振りかざしたのだ。翼竜型の宇宙船も支えるので精いっぱいで回避出来そうにない。
 と、次の瞬間、空中に歪な五芒星が出現する。
「あれは、安曇あずみの使っていた!」
 と、右の集団の一人が叫ぶ。
 そして、銀朱色の巨人がそこから現れ、白い巨人の爪を受け止める。

 

 To be continued to 2章 #A.D.1961

第2章 #A.D.1961へ


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