アーサーと呼ばれた男&通信先の男

~サンフランシスコの「試練の洞窟」~


 

「おい、アーサー、本当に行くのか?」

 

「あぁ、「世界樹ユグドラシル」に突然、広大な未知のサイバースペースが作られるなんて普通じゃない。外からのデータ収集には限界があるし、既に多くの魔術師マジシャンが侵入している。俺達、監視官カウンターハッカーがホームベースで手をこまねいてるわけにはいかない。とうふからも承認は得てるし、今更、危ないので辞めますで上司や顧客に顔向けできるか」

 

「そりゃ、理屈は分かるし、誰が行くかとなれば、「世界樹」最強のお前になるのは分かるけど、いくらなんでも一人じゃ……」

 

「あぁ。だから、ガウェイン、安全圏からの後方支援バックアップは頼むぜ、相棒」