縦書き
行開け

コンクラーベとベツレヘム消失 第1章

 2013年1224日。クリスマスと呼ばれるイベントで世界のほとんどが一色に染まる日、イタリアから日本に向かう飛行機に乗り込む数人の男達がいた。突如発生した大事件の解決のために派遣される事となったのである。
 男達の一人であり、この集団のリーダーである男、ルドヴィーコはこの〝事件〟が起きた発端を順番に思い出していた。

 

 2013年2月11日。それはテンプル騎士団にとって大事件が起きた日であった。当時、スイスの衛兵に混じってバチカン市国の警備をしていたルドヴィーコ・アロイジオ・サヴィーノの耳にもすぐに入ることとなる。
「おい、ルイージ、緊急事態だ。ただちに警備任務を終了しろ!」
 衛兵隊ではない方の上司から連絡が入る。ちなみに、ルイージLuigiというのは、ルドヴィーコLudovicoの省略形である。以降、彼の事はルイージと呼ぶ事にする。
 それから、やや遅れる形で、衛兵隊の方の上司から、「緊急の事態が起きたから、最寄りにいるルイージはこれに対応せよ」との通達が来る。自然に警備から抜けられるようにカバーストーリーが用意されたのだろう。ルイージの表向きの仕事仲間であるスイスの衛兵達は、彼の本当の仕事を知らないのだ。

「来たか、ルイージ」
「グラツィアーノ。なんの騒ぎなんだ?」
「すぐに騎士団長のお言葉だ。霊光甲冑を装備しろ」
「マジかよ」
 慌てて左手首の擬似聖痕に右手を当てる。
「主よ、我らを護りたまえ」
 擬似聖痕から光が溢れ、やがてルイージの体全てを覆う。光が晴れると、ルイージの服装は中世の騎士物語のような甲冑に変化している。
 これが、霊光甲冑、ルイージの本来の制服である。
「なんでも、全支部に映像を中継するらしい」
「そんなにか。何の発表だ?」
「今日は世界病者の日だからな。枢機卿会議でオトラントの殉教者が列福されるはずだから、その件くらいしか思いつかないが……」
 確かに一神教徒にとって無視できないイベントではあるが、わざわざ表向きの仕事にカバーストーリーを与えて休ませるほどのこととは思えない。
「全員、整列!」
 号令がかかる。ルイージも慌てて所定の位置に向かう。
「我らがテンプル騎士団の栄えある騎士団長、ジュール・ローザ・スルト団長に、敬礼」
 号令役の言葉に合わせ、全員が足を踏み鳴らして、右腕を左胸の上に移動させる。
「各々任務で忙しい中、正装での集合に感謝する。早速だが本題に入らせてもらう」
 騎士団長はゴホン、と咳払いをする。
「本日午前11時、ローマ教皇が枢機卿会議において、自身の辞任を発表した」
 ザワと、一糸乱れぬ整列をしていた騎士達が騒めく。もちろん、ルイージもその一人だった。

 

 テンプル騎士団とは、偉大なる神の力を借り、神に代わって悪魔や霊と言った怪異から民衆を守る事を役目とした組織である。一般に、悪魔や霊と言った怪異の事を霊害と呼び、テンプル騎士団のような霊害と戦うものを討魔組織とか、対霊害組織と呼ぶ。
 イギリスのリチャード騎士団や日本の宮内庁霊害対策課のように、多くの対霊害組織は国に属し霊害から国民を守る事を任としているが、テンプル騎士団は違う。バチカン市国の地下に本部を持ってこそいるが、彼らはどの国にも属さない。強いて言えば、同じ神を信じる国が彼らの国である。ややこしいので、基本的に外部からはヨーロッパを中心に広く活動している、と認識されている。まぁ概ねその理解で構わないだろう。
 ここで理解が必要なのは、テンプル騎士団の守備範囲は他の対霊害組織より明らかに広い、と言う点である。この守備を可能としているのが、ローマ教皇を中心とした信徒の力を束ねた力場である。
 この力場がある限り、ヨーロッパの霊害は実力を十分に発揮出来ないし、悪さをしようものなら、すぐにテンプル騎士団の知るところとなる。
 しかし、この度そのローマ教皇が辞任すると言う。それは即ち、テンプル騎士団の行動をサポートしてきた力場が一時的にせよ失われる事を意味する。
 まして、その間に次期ローマ教皇の命が脅かされ、ローマ教皇の任に付くものが現れなくなってしまおうものなら、テンプル騎士団は最悪壊滅、ヨーロッパが霊害に蹂躙される事となる。
 このようにテンプル騎士団にとって、ローマ教皇の座が一時空席になる、と言うのは、その一時の間、文字通り全力でヨーロッパを防衛しなければならない事を意味する。
 一糸乱れぬ整列を保ち続けるバチカンのエリート騎士でさえもが堪らず騒つく事となったのは、こう言った背景によるものである。
 そして、先代教皇の死去から8年しか経っていないというスパンの短さにも起因していた。多くの騎士が前回の騒動の大変さを身に染みて知っているのだ。

 

「諸君らの懸念ももっともである。しかし、プラスに考えようではないか。先代の逝去よりまだ8年しか経っていない。諸君らの中には先代の逝去時の苦難を知っているものも多い。今回は必ず、前回より上手く対処できるはずだ」
 なるほど確かに、という声もあり、そんな事ないだろ、という声もあり。その声の多さは、普段の整列時の彼らからは全く想像できないものだ。
「また、教皇が辞任を選んだ事により、我々には多少、心の準備と、そして陣容の準備をする時間がある。教皇は2820時に辞任される。あと、17日ある。この間に可能な限り不測の事態に対処可能な陣容と配置を整える必要がある。詳しくは明日以降、各自に新たな配置を通達する。なんとしても、教皇選挙コンクラーベとその後の就任式まで、このヨーロッパを守りきろう」
 そこまで説明し、騎士団長は息を吐く。
「通達は以上だ。通常任務のものは今日はもう任務を終了し、明日に備えるが良い。討滅任務中のものは人間への被害があるものは継続、それ以外のものは切り上げて明日に備えよ」
「敬礼!」
 騎士団長が一歩下がると、号令役の号令が響く。その瞬間、ザッと音を立てて、全員が一斉に足を踏み鳴らして敬礼する。
「解散!」

 

 翌日、ルイージは新たな通達を聞いた。
「バチカンの守護はインクィジターに任せ、我々はローマ郊外付近の警備を行う、か」
 インクィジターと言う組織がどのような組織なのかは、ルイージも良くは知らないが、咎人と呼ばれる戦闘員を持つテンプル騎士団より上位の組織らしいと言うのは知っている。ヴィエンヌ公会議によってテンプル騎士団が歴史の表舞台から姿を消して以降、テンプル騎士団の活動を支援し、大きな発言力を持っているのだとか。
 テンプル騎士団がバチカンの地下にこっそりと本部を持っていたり、スイス衛兵などの他の組織に紛れ込んだり、またそれらの組織にカバーストーリーを与えたり、テンプル騎士団が未だに秘密裏に存在出来ているのは、一重にインクィジターなる組織によるものなのである。
「ローマ郊外の警備ねぇ」
 どうやら、上はバチカンを三重の防衛ラインで守る事を決めたらしい。インクィジター直轄部隊によるバチカンの防衛、テンプル騎士団の最精鋭によるローマ市内の防衛、テンプル騎士団の手練れによるローマ郊外の防衛、である。
 また、その他にもローマ・テルミニ駅に発着する長距離列車や新幹線ユーロスターの乗客の確認、レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港とジョヴァン・バッティスタ・パスティーネ空港から降りてくる乗客の確認なども、従騎士エスクワイアたちが行うようだ。従騎士とは、テンプル騎士団に入って数年の見習い達の事で、3年程度従事する事で、正式に騎士ナイトとして叙任される。ちなみにその上には聖騎士パラディンという位があり、聖騎士となるとお付きの従騎士を連れることが許される。

 

「よ、お前も郊外の警備だって?」
「らしい。街の外に出るなんて何年ぶりだろ」
 宿舎を出るとグラツィアーノが声をかけてきた。彼とルイージはいわば同期で、ほぼ同時に従騎士になり、大体同じくらいで騎士として受任された。聖騎士となるのも一緒だといいな、などと笑い合える仲である。
「あぁ、騎士様、少しいいかな?」
 街を歩いていると、信徒の一人が声をかけてくる。恰幅の良いイタリア人といった風態だ。そして二人からすると馴染みのある人物だった。
「あぁ、ラウッウィーニさん。今日はどうしました?」
 カッリスト・グレゴリウス・ラウッウィーニ。イタリアでそれなりに名を挙げている商人である。商人と言っても”裏”の商人だ。神秘の世界で”裏”とはそのまますなわち神秘渦巻く世界の事を意味する。要は、カッリストは神秘にまつわる品を扱う事でお金を儲けているのだ。
 金儲けというと旧教ではあまり良く見られない行為であるが、本人は神秘の品を流通させ、世界中に神秘と、そして神の奇跡を示し続けることが己の信仰であると信じている。
「あぁ、まずは一杯どうだい?」
「い、いえ、我々は仕事中ですから。というか、もう随分飲んでいらっしゃるんですね……」
 ルイージは突きつけられたワイングラスを作り笑顔で断りつつ、先ほどカッリストが座っていたテーブルに置かれているワインボトルの中身がもう1/4を切ってることに気付いて苦笑いする。
「そうかい。いや、実は、神の奇跡によらない力を使ってる連中を見たんだよ」
「なんですって?」
 基本的にテンプル騎士団は神の奇跡以外による神秘を認めていない。だからといって世界中のあらゆる対霊害組織と争えば霊害が蔓延るばかりとなってしまうため、ある種、妥協のような形で見逃しているが、非合法な魔術師は別だ。テンプル騎士団はそのような神の奇跡以外の神秘を使う存在を「異端術師ヘレティック」と呼ぶ。
「詳しい話を聞かせてください」

 

「いつもの件だったな」
「あぁ、上に報告し、対処部隊を送らなければ」
 実は、カッリストがこうした報告をしてくることは決して珍しい事ではない。神秘的なものを取り扱っている以上、他の神秘的な品を扱う者と出会う事は多い。というより、そもそもカッリストの商売を考えればテンプル騎士団以外の顧客は全員が異端術師のはずなのだ。
 しかし、実際にはカッリストが密告してくるのは、ほとんど錬金術師アルケミスト魔女術師ウィッチクラフトかのどちらかである。
 この二者の共通点を考えれば何故カッリストが密告してくるかは明白だ。即ち、テンプル騎士団を利用して商売仇を排除しようというのだ。
 とはいえ、テンプル騎士団としては異端術師を排除出来る機会を逃す理由もない。
「なるほど。報告は受理した。今回密告にあった錬金術師は細かく自身の工房を移動させている。直ちに対処するべきだろう。だが、ローマ近郊の騎士隊のほとんどは28日の辞任に向けた準備に忙しい。臨時の騎士隊を編成することになるだろうな」
 本部に戻るとそこにいたのは騎士団長のみであったため、直接騎士団長に報告する。騎士隊とは、聖騎士一人か二人を中心に騎士と従騎士で結成された部隊の事を言う。今回のように異端術師を狩るための遠征部隊が騎士隊の主任務である。だが、28日までにこの騎士隊を再編成する必要があるため、騎士隊はそれまでに与えられた任務を全て終える必要があり、ほとんどの騎士隊の手が空いてない状態だった。
「よし、ルイージ、グラツィアーノ。君達二人を臨時の騎士隊長に命ずる。1時間以内に十人程度の騎士を手配する。合流地点はチビタベッキアの地上出口だ。君たちも遠征の準備を整え、向かってくれ」
 なんと、騎士団長直々にご指名を得る。これは大変名誉な事である。騎士団長から直接任命を受ける事はもちろん、緊急時とはいえ騎士隊の隊長を任せられる騎士などそういない。
「グラツィアーノ、拝命します!」
「あ、ルドヴィーコ、拝命します!」
「うむ。期待している。だが、深追いはするな、この状況で優秀な騎士を失いたくはない」
 二人は敬礼し、部屋から出る。
「聞いたか、ルイージ。期待してるってよ」
「あぁ、それに優秀な騎士だ、とも言っていただけたな」
「なんだよ、冷静だな、もう少し浮かれるとかないのか?」
「そりゃ嬉しいけど、優秀だと思って期待して貰えてるなら、それに応えないとな」
「真面目だねぇ。張り切りすぎてドジるなよ。お前張り切った時に限って……」
 と言いかけた時、グラツィアーノの視界からルイージが消えた。慌てて振り返ると、ルイージが天井を這うパイプに頭をぶつけて、崩れ落ちていた。
「言わんこっちゃない。しっかりしろー!」

 

 チビタベッキアで集合した臨時騎士隊はツアーガイドと参加者に成り済まし、フェリーに乗って移動を始める。霊光甲冑が主装備であるテンプル騎士団は普段は一切の戦闘装備を持ち歩く必要がない点で他の対霊害組織より優れており、このような潜伏任務も得意とする。
「十人の後輩を従えて歩くときが来るとはなぁ。これは従騎士を従えて歩く時も近いんじゃないか?」
「浮かれて調子乗って死んだらその時も来ないから気を付けろよ」
「分かってるよ」
 行軍は続き、フェリーから降りてサルデーニャ島に上陸。島を横断し、カルボーニアに至る。
 カルボーニアは鉱山の町として栄えた町である。鉱山は1970年代に閉鎖されているが、密告によれば錬金術師がその廃坑に住みついているらしい。
 インクィジターが手を回して発行したらしい許可証を使い、廃坑に立ち入る。
「突入するぞ。霊光甲冑装備」
 霊光甲冑を装備し、廃坑に踏み込んだ直後、全員の擬似聖痕が疼いた。
「異端空間に入り込んだらしいな」
 異端空間、神の奇跡以外による魔力が満ちた場の事をテンプル騎士団はそう呼称する。一般には結界、と呼ばれる場の事である。
 ちなみに、教皇の下にヨーロッパ全土を覆う形で展開されている力場も定義上は同じく結界に分類されるものであるが、テンプル騎士団はこちらを「神聖空間」と呼称して区別している。
 結界を展開した魔術師は結界の内部であれば有利に戦うことが出来る。
 そう、テンプル騎士団相手でなければ。
「総員抜剣!」
 ルイージの号令の元、騎士達が一斉に擬似聖痕に手を当て、そして何かを引き抜くように手を握りしめて一気に離す。すると、擬似聖痕から抜いたかのように光で構成された剣が出現する。
「空間切除!」
 号令に従い、一斉にその剣が振るわれる。次の瞬間、その結界は完全に消滅した。
 あらゆる神秘を拒絶し切り払う光の剣、聖なる書物に霊の剣として語られる剣、それがこの霊光剣である。
 異常を検知したのか、錬金術師の手勢であろう似たような見た目の人間達が武器を手に現れる。人間の精子と卵子によって生み出されたわけでも、母体によって生み落とされたわけでもない、人工の生命体、ホムンクルスである。
 あらゆる生命は神が作りたもうた奇跡である。神以外のものがそれを侵すことは許されない。
「突入!」
 前列のホムンクルスがハルバードを手に通路を塞ぐ。ハルバードそのものは物理的に作られた武器なので霊光剣で分解することは出来ない。
Zerstörung破壊せよ
 後列のホムンクルス達が腕を前に突き出して詠唱する。黒い球体がその腕の先に生成されていく。
beenden完了
 それが放たれる。しかし。
「攻撃隊離れ、防御隊払え」
 号令に従い、ハルバードを持ったホムンクルス達と交戦していた騎士達が後ろに下がり、入れ替わりに現れた騎士達がその黒い球体を全て切断する。
「防御隊離れ、攻撃隊行け」
 防御隊が再び後列に下がり、攻撃隊がハルバードを持ったホムンクルスに攻撃を仕掛ける。
「どうするルイージ、このままじゃ膠着だ」
「問題ないよ。攻撃隊が一時離脱した隙に作戦を授けた……作戦ってほどでもないか」
 そう言って笑った直後、それは訪れた。
「なっ!」
 ホムンクルスのハルバードが真っ二つに切断される。その隙を逃さず、騎士の一人がタックルし、転倒させる。その隙を逃さず、攻撃隊が後列に雪崩れ込む。
「おぉすげぇ、どうやったんだ?」
「要は通路を綺麗に塞ぐハルバードが邪魔なわけだからね。みんな教科書通りに本人を狙いすぎだったから、ハルバードの破壊を優先するように言ったのさ」
 ホムンクルス達はバリアのような防御手段を講じていたが、これが失われると離脱を始めた。
「待て、不用意に追うな。奴らはどうせメンテナンスなしでは長持ちしない。それより奥へ進むぞ」
 さらに奥に進むと、今度はクロスボウを釣瓶打ちにする仕掛けがある通路に出た。
「霊光大盾を使う。納剣、祈祷」
 ルイージ以外の全員が擬似聖痕に触れて目を閉じ祈る。すると部隊の目の前に大きな光の盾が出現する。霊光大盾、聖なる書物において信仰の大盾とも語られる魔を退ける盾である。
「前進」
 目を閉じ続けている騎士達をルイージが号令で導く。雨の如く放たれるクロスボウの矢を大盾で完全に防ぎつつ、一歩、一歩と前に進んでいく。
「祈祷やめ」
 ルイージが霊光剣で装置を破壊し、騎士達が号令に従って祈りを止めると、盾が消滅する。
「くそ、逃したか!」
 その後最後の抵抗を続けるホムンクルスを撃退し、奥の部屋にたどり着いたときには、そこはもぬけの殻だった。
「そうらしいな」
 椅子の下に隠された隠し扉を開け、懐中電灯でその奥を照らすが、人の影すら見えない。
「どうする、追うか?」
「いや、深追いはするな、との指示だ。工房を潰せるだけ、良しとしよう」
「だな。よし、分担して発火装置をセットしろ。完了次第撤収するぞ」

 

 全員が太陽の日の本に戻る。彼らの背後には燃え盛る廃坑。
 ルイージが首に下げたロザリオを口元に寄せる。
「こちらルドヴィーコ。ターゲットは逃しましたが工房は破壊しました。これより帰投します、どうぞ」
「ご苦労だった、ルドヴィーコ。それにグラツィアーノ君にも伝えてくれたまえ」
「了解」
 ロザリオを戻し、グラツィアーノの方に顔を向ける。
「ご苦労だった、ってよ」
「お前こそな。さっきのハルバード使いどもとの戦いの指示、勉強になりましたって、あいつら言ってたぞ」
「こらじゃれつくな。全員、霊光甲冑を解除。これより帰投する。本部に戻るまで気を抜くな」
 再びツアーガイドとツアー旅行者に成り済まし、ローマへと帰る。

 

 こうして、テンプル騎士団のいつも通りの――ルイージにとっては少し特別な――1日は終わった。だが、教皇の辞任はまだ先のお話だ。その意味において、物語は始まってさえ、いない。

 

To Be Continued…

第2章へ

Topへ戻る

 


 

「いいね」と思ったらtweet! そのままのツイートでもするとしないでは作者のやる気に大きな差が出ます。

 マシュマロで感想を送る