退魔師アンジェ 第2部 第7章
『〝在日米空軍准将〟天草 リュウイチ』
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父を
そして最後の試練の日。アンジェは瘴気から実体化した怪異「
翌日、月夜家を訪ねてきた生徒会長、
アオイから明かされた事実、それはアンジェ達の学校が「
早速学校を襲撃してきた下級悪魔「
アオイから恐怖心の克服を課題として言い渡されるアンジェ。玉虫色の粘液生物と戦ったアンジェはヒナタの何気ない助言を受けて、恐怖心の一部を克服、再びアンジェを助けた白い光を使って、見事学校を覆う謎の儀式を止めることに成功したのだった。
しかし儀式を試みた魔術師は諦めていなかった。それから一週間後、再び学校が今度は完成した儀式場に覆われていた。アオイは母・ミコトの助けを借り、儀式場の中心に到達するが、そこに待ち受けていた
そこに現れたのは「英国の魔女」と呼ばれる仮面の女性。彼女は事前にルーンと呼ばれる文字を床一面に刻むことで儀式の完遂を妨げたのだ。そして、英国の魔女は「この龍脈の地は私が治める」と宣言した。逃げる安曇。追う英国の魔女。蚊帳の外の二人。アオイは安曇は勿論、英国の魔女にも対抗することをしっかりと心に誓った。
ある晩、アキラから行きつけの古本屋を紹介してもらった帰り、アンジェとアキラは瘴気に襲われる。やむなくアキラの前で刀を抜くアンジェ。しかし、一瞬の不意を撃たれ銃撃されてしまう。謎の白い光と英国の魔女に助けられたアンジェはアキラの部屋に運び込まれ、週末に休みの期間をもらう。
休みの時間をヒナタと街に出て遊ぶのに費やすアンジェ。そこで剛腕蜘蛛悪魔を使役する上級悪魔らしきフードの男と謎の魔術師と遭遇する。追撃することも出来たが、アンジェは怪我人の保護を優先した。
アンジェは父が亡くなった日の夢を見る。時折見るその夢、しかしその日見えた光景は違った。見覚えのない黒い悪魔の姿があったのだ。そしてその日の昼、その悪魔とその使役主である上級悪魔、
そして同時にアンジェはアオイから知らされる。父が死んだその日は「大怪異」と呼ばれる霊害の大量発生の日だったのだ、と言うことを。
イブリースが大攻勢をかけてきた。悪路王と英国の魔女は陽動に引っかかり、学校にいない。アオイとアンジェだけでは学校への侵攻を防ぎきれない。最大級のピンチの中、アンジェは自身の血の力と思われる白い光を暴走させる。それは確かにイブリースごと全ての悪魔を消滅させたが、同時に英国の魔女が封じていた安曇のトラップを起動させてしまい、学校を大きく損傷、死者まで出してしまう。
アンジェはその責任を取るため、討魔師の資格を剥奪されることになるところだったが、突如乱入してきた悪路王がアンジェの血の力と思われる白い光を強奪。最大の懸念点だった力の暴走の危険は無くなったとして、引き続き討魔師を続けて良いことになった。
アンジェの力の暴走、通称「ホワイトインパクト」の後、
ホワイトインパクトに対処する中、英国の魔女は事態収束後も同盟を続けようと取引を持ちかける。アンジェは取引は断りつつも、英国の魔女の座学から様々な知識を学ぶのだった。
英国の魔女に連れられ、ロアの実例と対峙するアンジェ。しかしそこに、ロア退治の任を受けた討魔師・
父の仇である悪路王は如月家の血の力を盗んだ。そして如月家について、明らかに何か知っている。アンジェはそれを問いただすため、そして可能ならば討ち倒すため、アンジェは悪路王のいるとされる
アンジェの右腕は英国の魔女の尽力により復活した。悪路王はアンジェの血の力について、ウキョウを倒せるレベルにならなければ返却できないと語り、あのアオイでさえそれに同意した。そしてアオイはアンジェについてしまった及び腰を治療するため、ある人物とアンジェを引き合わせることを決める。
アンジェは
討魔仕事の帰り、アンジェを迎えに大きなバイクに乗ったフブキが現れる。フブキは言う。「
ベルナデットは魔術師だった。
フブキと共にベルナデットと交戦するアンジェ。
だが、フブキが作ったベルナデットの隙をアンジェは殺害を躊躇したため逃してしまう。
ベルナデットが盗んだのは『
アンジェが回収したカードから、ベルナデットは錬金術師と判明するが、目的は見えない。
そして、自身の覚悟不足によりベルナデットを逃したことを後悔し、こんなことでは復讐も成せないと感じたアンジェはアオイと真剣での鍛錬を行う事を決める。
アオイと真剣での鍛錬の中、アオイの持つ刀、
それはそれとして、1/25はアンジェの誕生日。アキラとヒナタ、そして当主から祝われる中、当主は宮内庁に「現在日本にいる英国の魔女を本物の英国の魔女だと承認する」事をアンジェに伝える。
誕生日は同時に父の命日でもある。墓参りを終えた英国の魔女は頭の中に響く声について意見を求める。
英国の魔女は「神秘使いの中には得意分野ごとに人格を作り、それを使い分ける者がいる」と伝え、アンジェもそれではないかと考察する。
そんな中、「賢者の石」作成を目的にしていると思われるベルナデットの今後の行動指針を探るため、英国の魔女の知り合いである錬金術師に会うことが決まる。
足尾銅山跡に工房を構え、盗掘しながら生活している錬金術師「ウンベグレンツ・ツヴァイツジュラ」、通常「アンリ」は言う。
「将棋とは錬金術の一種であり、詰将棋とはそのレシピである。その最高峰たる『象棋百番奇巧図式』には、錬金術の最奥の一つ、賢者の石に類する何かのレシピが含まれている可能性が高い」
そして、将棋とは盤上で行うもの。「龍脈結集地で行われる儀式魔術の可能性が高い」と。
かくして、二人は慌てて学校に戻るのだった。
準備万端で迎えたベルナデットとの戦い。
しかし、ベルナデットは賢者の石の失敗作、愚者の石を用いて、こちらのルーンによる陣地を完全に無効化した。
苦戦するアンジェとアオイ。アンジェは自分の内にいる何者かを解き放つことを決める。
内にいるもう一人のアンジェにより、ベルナデットは敗北するが諦め悪く逃走を試み、アンジェはやむなくベルナデットを殺害してしまう。
それをトリガーに
彼はアンジェの起こしたホワイトインパクトにより、恋人を失っていた。しかし、記憶操作を受けていたはずだが。
クロウとの問答の末、アンジェはついに英国の魔女がヒナタだと知ってしまう。
初の直接的な人殺しに、クロウからの非難。英国の魔女の正体。ただでさえいっぱいいっぱいなアンジェだが、ハヤノジョウは、月夜家が何かしらの企てを行なっている可能性を示唆する。
ヒナタという信用出来る戦友を得つつ、謎だらけのままにアンジェ最初の一年は終わった。
アンジェのもう一人の人格、仮に『エス』と名付けられた彼女は、2015年度に入って、訓練メニューに組み込まれるようになった。
それから七月の頭、平和だった学校に再び下級悪魔が現れる。現れた下級悪魔は剛腕蜘蛛悪魔に見えたが、剛腕蜘蛛悪魔を従えるイブリースは撃退され、まだ復活には遠いはずだ。
事実攻撃手段も違ったことから、アオイ達はこれをよく似た別の悪魔と判断。従来のモノを剛腕蜘蛛悪魔甲、今回新たに現れたものを剛腕蜘蛛悪魔乙と呼び分けることとした。
再び学校が狙われ始めたという事実に決意を高めるアンジェだったが、次なる脅威は学校の外で起きようとしていた。
アンジェの担当地域である
アンジェはアオイの要請を受け、出発する。
しかし、盗んだ刀、
アオイ、ヒナタ、カリンが次々に合流し、戦闘に加わるが、逃げられてしまう。
カラはレインボー・エンプティと似ている。
その情報からアンジェとフブキはレインボー・エンプティに事情聴取に向かう中島 マモルと同行することになる。
その道中で、アンジェはフブキから自身の運命の日について聞かされるのであった。
レインボー・エンプティこと虹ヶ崎 ソラに聞き込みを行ったマモルとアンジェは、虹野 カラがソラからメイド服を盗んで行ったと言う情報を得る。
その後、念の為ソラの家を監視していたアンジェはソラを誘拐しようとする謎の男・五月女 スバルとプレアデスのコンビと交戦する。
国家転覆を企む五月女 スバルを止めるため、アンジェ達はかつて五月女 スバルを通報したハッカー、『
そのために、永瀬クロウへアプローチをかけることを決めるのだった。
クロウを挑発し、短絡的な行動へと誘導したアオイだったが、クロウの待ち受ける廃工場へ突入したアンジェと英国の魔女は、クロウの持つ
ところがそこに乱入してきたユークリッドなる魔法使いにより戦場は混乱状態へ。
ユークリッドがクロウを殺そうとしたのをアンジェが庇い、ユークリッドと一騎打ちとなる。追い詰められたユークリッドは戦線を離脱。
アンジェは現代火器を使う『
しかし、この目論見は失敗に終わる。ユークリッドはアンジェの育て親同然の存在〝守宮〟の命を狙ったのだ。
その上、カラがまた新たな盗みを行ったとの情報も入る。
後手後手にならざるを得ない状況に、アンジェはなんとか先手を取らねば、と拳を握る。
「どんな手を使ってでも行きましょう! キュレネへ!」
「ちょっとアンジェ、本気? 危険性は自分でも調べたんだよね? 公的な渡航は禁止なんだよ?」
〝守宮〟殿襲撃事件発生の直後、私は英国の魔女と連れ立って〝守宮〟殿の部屋を後にすると同時に、英国の魔女に捲し立てる。
すると、英国の魔女はマスクを外し、ヒナタの状態に戻りながら反論する。
「承知しています。しかし、このままではいつまでも後手、後手です。どこかで巻き返さないと」
「落ち着いて、アンジェ、焦っても何も生まれないよ」
「私は焦ってなどいません。キュレネ行きに反対なら、もう一つの手がかりはクロウです。クロウを拘束して何か吐かせるか、それか、いっそ永瀬家に踏み込みましょう」
何を呑気なことを言っているのか、私を宥めようとするヒナタに私は一歩踏み出して提案する。
「そ、そんなことしたら、アンジェの立場が危ういよ!」
私の提案に何やらヒナタが慌て始める。
「分かった。分かったよ。それならキュレネに行こう。そっちなら私の権限でなんとかなるはず」
「分かってもらえたならよかったです」
ふぅ、と私は息を吐く。
「そうと決まれば手早く荷物をまとめましょう」
「え、今から!?」
「当然です。奴は『一度、アビゲイル様に報告に戻った方が良さそうだ』と言いました。アビゲイルとやらが何者かは知りませんが、恐らく奴の首魁。ならば今、奴らはキュレネにいる可能性が高い」
急がなければまた移動してしまうかもしれない、と私は捲し立てる。
「うーん、それはまぁ一理あるかな。分かったよ。明日には発とう。じゃ、私も準備してくるね」
ヒナタの姿がふっと消える。
もうすぐ夏だというのに少し寒い夜風が私を冷やす。今の私の判断は間違えていないだろうか……。
「いや、ここで何としても先手を取らないと、負けてしまう」
私は首を横に強く振りながら、自分の部屋に戻ることにした。
翌日。ヒナタの用意した「偽身符」なる偽物を替え玉として学校に残し、私とヒナタは西多摩郡に来ていた。
「やぁ、リュウイチ。元気してた?」
「お前の無茶のせいで元気とは言い難いな」
アメリカ軍横田基地の入り口でヒナタは、サングラスをかけ、腰に刀を下げた日系人らしい在日米軍人に声をかける。首に十字架をかけているところを見ると、一神教徒だろうか。
「紹介するよ、アンジェ。彼は
「どう考えても、こう見えて、は余計だよな」
准将。ヒナタと遊んだゲームで軍人の階級については簡単に学んだ。確か、大将、中将、少将の下が准将のはずだ。そんな人とこうやって軽口を交わせるとはすごいな。
しかし、リュウイチというと、宮内庁にも同じ名前の人間がいたはずだ、ちょっとややこしいな。
「宮内庁の彼とは漢字が違うよ。宮内庁の彼は難しい方の龍だけど、こっちは簡単な方の竜なんだよ」
ヒナタが良く分からないことを言うが、区別がつかずややこしいことには違いない。
彼のことは天草准将と呼ぼう。
「まぁ、なんでもいい。君がアンジェか。〝守宮〟殿から聞いていたよりは少々勇ましい様子だな」
「〝守宮〟殿をご存じなんですか?」
「まぁね。私は訳合って中島家と少々折り合いが悪くて、日本での活動は主に月夜家と同行することが多い」
そう言いながら、天草准将は首にかけた十字架を右手で握ってから、私とヒナタに向けて右手を振る。
「認識阻害なら私自分でかけられるのにー」
「念の為だ。この一件は全て私が責任を負える状態であることが望ましい」
天草准将は魔術を使えるのか。
ゲートの向こうに用意された車――ハンヴィーというやつだろうか――に案内され、私とヒナタは天草准将の運転で車を走らせる。
「この後の予定だが」
車の中で天草准将が喋り始める。
「ちょうど今、
「うん、転移のルーンで一発だよ」
こういう時、ヒナタが一緒なのは頼りになる。ところで。
「えっと、アグハフとハーキュリーズとは?」
「忘れたの、アンジェ。ハーキュリーズは輸送機C-130の愛称だよ。アンジェも『大戦争』で使ってたじゃん」
疑問を口にすると、ヒナタがそのうち一つに答えてくれるが。
「細かい兵器の名前なんて覚えてないですよ。それより、アグハフとは?」
「アンチ・ゴースト・ハザード・フォース。頭文字を取って、エー・ジー・エイチ・エフでアグハフだ。日本語に直せば対霊害軍、といったところか」
意外にも答えてくれたのは天草准将だ。案外面倒見の良い人かもしれない。
「つまり、アメリカにおける対霊害組織ということですか?」
「そうだ」
「准将は魔術師のようですが、そちらには所属していらっしゃらないのですか?」
ふと思い浮かんだ疑問を口にする。
「あぁ。AGHFは制式化された
確かに、魔導具は才能がない人間でも魔術を使えるという特徴があると聞く。魔術を使う軍隊を作るとなれば合理的な選択だろうが、しかし、魔術道具を量産するだなんて。
「ついたぞ。このハーキュリーズに乗り込んでくれ」
車が止まる。目の前に左右の翼に二つずつプロペラの付いた大きな航空機が鎮座している。
私はヒナタに導かれるまま、後部の入り口から機内に入っていく。ヒナタは仮面をつけて、英国の魔女の姿を取る。
「ようこそ、英国の魔女。お会いできて光栄です。AGHFのハンナ・グリーンです」
中に入ってきた自分達を見て、ふわふわウェーブヘアの女性が声をかけてくる。
「よろしくおねがいします、グリーン」
その挨拶に英国の魔女が頷く。
挨拶の後は簡単な機体の説明をされた上で、壁に設置された座席に案内されて、ハンナさんは去っていく。
やがて、ハーキュリーズが飛び立って数時間。
びびびびび、とビープ音が鳴り響き始める。
「何事ですか!?」
仮眠状態にあった私はその音に思わず目を覚ます。
周囲の兵士達が英語で話し合っているが、私には意味が分からない。
「戦闘機にロックオンされたようです」
「ロックオン!? この機体は認識阻害がかかっていると先程グリーン氏が」
「それでAGHFの面々の驚いてる様子ですね」
私の説明に英国の魔女が解説してくれる。
「座席を離れないでください」
ハンナさんがメカニカルな見た目をした拳銃を腰から抜きながら、私達に日本語で語りかける。
後部ハッチが開く。強い風が私達全員に襲いかかる。遠くにこちらに追従してくる三機の三角形の翼を持つ戦闘機が見える。
兵士達が一斉に拳銃の引き金を引くと、そこから雷が放たれる。どうやらあれがAGHFの制式魔導具らしいな。
戦闘機は左右にばらけてそれを回避する。
「現在位置は?」
英国の魔女が声をかける。
「既にリビア上空です」
「なら、私達も迎撃に出るよ」
「え」
英国の魔女の言葉に驚く暇もなく、シートベルトが英国の魔女により解除される。
「
私と英国の魔女が空中に投げ出される。
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