第九章
『”無血無涙の鉄男”中島 隼之丞』

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――「その職にふさわしくない者はすぐに処分したりするが、よく考えてみると、その役を十分に務めてくれるだろうと見たのはその主だ。目利き違いなのだから、主の罪は臣下よりもなお重い」(筑前国福岡藩祖・黒田官兵衛)――

 

 夢を見ている。自分は自分ではない姿でここにいる。
 山伏の姿をした私と仲間たちは山を登っていく。
 やがて眼前に広がるは驚くほど濃い魔の気配。
「間違いありません。やはり彼の言う通りでした」
「えぇ。彼は優れた陰陽師です」
 仲間と頷き合い、目の前に広がる魔の居城にノックする。
「なにものか?」
「修行中の山伏でございます。どうか、一晩宿をとらせてもらえませんか?」
「この―――に山伏じゃと? うぬら、京のものではあるまいな?」
 長い問答の末、魔の警戒を解くことに成功した私達は魔の歓待をうけることになる。それは同時に第二の試験でもあった。それが魔によって拐われた人の血であり肉であることはすぐに分かった。けれど、それを拒めば、すぐさま魔の不況を買い、殺されてしまうだろう。私達はそれを平らげた。
「酒はいいよなぁ。俺も酒が好きでなぁ。だから――――なんて呼ばれてんのさ」
 気を良くした魔は陽気に自らの身の上を話し出した。
「お酒がお好きでしたか。それでしたらいいものがございます。修行の途中に助けた者からもらったものなのですが、自ら飲むわけにもいかず、持て余していたのです。よかったら、いかがです?」
 嘘だ。これは我らの神からもらった恐るべし毒の酒。しかし、魔はこれまでの下ですっかり私達を信用してしまったらしい。快く、そのお酒を飲んだ。
「な、か、体が……。うぬら、俺を謀ったのか……!」
「当然だ、人を脅かす鬼よ。汝を討つのに理由がいるか?」
「情けないぞ客僧たち、偽りなしと聞いたというのに、鬼の道になき横道を」
 私は刀を抜く。見慣れたいつも通りの刀、そして白い光が刀に纏う。
「まさか、その光は……。俺はぞ。――――の息子たるこの俺を、その光で退けるというのか」
「黙れ。貴様如きがを名乗るのか。貴様らなど下賤な―――よ」
「愚弄するか! おのれ、おのれ、――!!!!!!」
 その白い光を纏った刀が魔に向けて振り下ろされる。

 

 眩しい白い光に思わず目を開ける。それは、蛍光灯の光だった。
「夢?」
「よかった、目が覚めた」
 アキラがベッドの横で私を出迎えてくれた。よくは覚えていないが、学校での戦いで、倒れてしまったんだった。
「目が覚めましたか、アンジェ」
 アオイさん……、とそちらの男性は?
「私と同じく宮内庁霊害対策課の蛇崩じゃくずれ リュウイチです。査問会に討魔師を召喚する際には、最低2名の戦闘員が護衛につくことになっていますから」
「護衛? 査問会? 召喚?」
「えぇ。如月アンジェ、あなたには神秘による建造物破壊の咎で、査問会への召喚令状が出ています」
「神秘による建造物破壊?」
 見に覚えのない話だ。
「話は道中にでも。立ってください。退院の手続きは済ませました。大丈夫、あなたが学校の龍脈を守ったのは事実なのです。最大限酌量してくれます」
「えっと、その、私が、何かを壊した、んですか?」
「……本当に覚えてないんですか? あなたは、その力を暴走させ、間接的に学校に仕掛けられた爆弾を起爆、学校に甚大な被害をもたらしたのです」
「そんな……」
 アオイさんの言ってることが、よく分からなかった。
「分かりました」
 私が学校を破壊した? 私が生徒たちを殺した?

 


 

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