A-AWsベーシック 戦闘セクション
戦闘フィールド
用語定義
戦闘において参照するステータス
戦闘の流れ
マイナーアクション
メジャーアクション
その他の行動
移動の手順
攻撃の手順
態勢の処理
ブースト効果
射線妨害
イニシアチブ・ドミネーション
VPが0になったユニットについて
戦闘終了
戦闘フィールド
A-AWsベーシックの戦闘フィールドはスクエアと呼ばれる正方形で分割された戦闘エリアになる。将棋盤や方眼紙を思い浮かべると良い。
このスクエアで分割された一つ一つを「マス」と呼ぶ。
戦闘フィールドはシナリオの内容に応じて変更して良いが、5×5を基本としている。ただし、5×5では遠距離武器や高機動ユニットが活躍しにくいため、ユニットのバランスを考えて広げると良いだろう。経験上、10×10を超えるとよほどの高レベルプレイでない限り面倒になる。
用語定義
そのユニットからみて、自身と同じ陣営のユニットを「味方ユニット」、自身と異なる陣営のユニットを「敵ユニット」と呼称する。
また、攻撃の処理中、攻撃を行う側のユニットを「攻撃ユニット」、攻撃の対象になるユニットを「対象ユニット」と呼称する。
戦闘フィールド上の距離はマンハッタン距離で計測する。基本的に何の補足もなく「距離」とある場合はマンハッタン距離の事として扱う。
戦闘において参照するステータス
戦闘においては特殊記述「近接攻撃」「遠隔攻撃」「防御」「移動」「イニシアチブ」を参照する。戦闘開始前に各特殊記述を持つ原成功要素の原成功要素レベルを合計し、記録する。これを「○○の能力値」と呼ぶ。
今後、何らかのルールで「○○の能力値」とあり、その能力値の算出方法が特別規定されていない場合は、○○の特殊記述を持つ原成功要素の合計であるとする。
セッション開始時のVPを「最大VP」と呼ぶ。
戦闘中の処理によって変化した結果のVPを「現在VP」と呼ぶ。
計算の結果小数点以下が発生する場合、小数点以下を切り捨てて処理することとする。
戦闘の流れ
戦闘は以下の通りに進行する。
1.イニシアチブフェイズ
イニシアチブフェイズはそのターンの
平均(+指揮)が優っていた側がイニシアチブを獲得する。
イニシアチブを獲得できなかった側が行動順を決定、そこにイニシアチブを獲得した側が行動するタイミングを決定する。
2.メインフェイズ
行動順に従い各ユニットに順番が回ってくる。順番が回ってきたユニットはマイナーアクションとメジャーアクションを行い、次のユニットに順番を回す。
この時、ユニットに順番が回ってきてアクションを行う状態のことをそのユニットの「手番」と呼ぶ。
3.エンドフェイズ
ターン終了の処理を行う。これが完了すると再びイニシアチブフェイズとなる。
マイナーアクション
マイナーアクションは「移動」「制限移動」「即時攻撃」「装備の解除」「所持してる非装備アイテムを取り出す」「アイテムを拾う」のどれか一つだけを実行可能。
「移動」は移動力を得て移動を行う。
「制限移動」は半分の移動力を得て移動を行う。この移動中、自身の移動をトリガーとしたアクションやイニシアチブドミネーションは無視される。
「即時攻撃」はメジャーアクションで行える最大補足:1のなんらかの攻撃を行う。ただし、射程が「隣接」ではない攻撃を行う場合、使用能力値は½として扱われる。「敵の防御を無視する」と言う記述は無視される。
「装備の解除」は装備しているアイテムをそのスクエアに落とす。戦闘終了時に落ちたままであれば拾うことが出来る。
「所持している非装備アイテムを取り出す」は所持している装備していないアイテムを取り出し、EPに余裕があれば装備し、なければそのスクエアに落とす。(EPに余裕があっても落とす選択は可能)
「アイテムを拾う」はそのスクエアに落ちているアイテムを拾い、装備する。自身のアイテムである必要はない。
メジャーアクション
メジャーアクションでは、「近接攻撃」「遠隔攻撃」「移動後遠隔攻撃」「反撃態勢」「協調攻撃態勢」「協調防御態勢」「防御態勢」「逃走」「装備をしまう」「チャージ」と、マイナーアクションが可能。ただし「遠隔攻撃」はマイナーアクションに「移動」を選択した後には使用できない。
また、マイナーアクションで移動し、メジャーアクションで移動することを特に「全力移動」と呼ぶ。
「近接攻撃」は近接攻撃を行う。射程:隣接
「遠隔攻撃」は遠隔攻撃を行う。この時、対象側は防御に能力値を使うことが出来ない。射程:隣接マスから[遠隔攻撃](B可能)
「移動後遠隔攻撃」は遠隔攻撃を行う。射程:隣接マスから[遠隔攻撃](B可能)
「反撃態勢」は自身に「反撃態勢」の態勢を付与する。この態勢は射程:隣接の攻撃アクションを行う能力を持つユニットのみが使用できる。
「協調攻撃態勢」は自身に「協調攻撃態勢」の態勢を付与する。
「協調防御態勢」は自身に「協調防御態勢」の態勢を付与する。
「防御態勢」は自身に「防御態勢」の態勢を付与する。
「逃走」は戦闘エリアからの離脱を宣言する。宣言時にはエリアの端っこが自身の移動の能力値の範囲内でなければならない。宣言以降、エンドフェイズまで攻撃を受けなければ離脱することが可能。なんらかの理由でエンドフェイズ時点で移動の能力値が減少し逃走が不可能になっていた場合は失敗する。
「装備をしまう」は装備しているアイテムを非装備状態にする。
「チャージ」は自身にチャージトークンを一つ付与する。チャージトークンはチャージ以外のメジャーアクションやマイナーアクションを行うか、チャージトークンを使用すると消滅する。
その他の行動
マイナーアクションやメジャーアクションにはその他の行動を行うことができる。
マイナーアクションは片手間に出来る行動
メジャーアクションは集中しなければ行えない行動
と考えれば良い。
プレイヤーから成功要素などを根拠に提案しても良いし、戦闘フィールドのギミックやシナリオギミックとしてGMから提案したり設定しても良い。
その他の行動の例 |
プレイヤー「GM。私のユニットは成功要素として「塹壕作成」を持ってるんだ。目の前に塹壕を掘れないかな?」 GM「なら、メジャーフェイズのアクションとして、塹壕作成を許可しよう。自身の隣接しているマスに戦闘フィールドルールの「遮蔽物マス」を設置できる」 |
移動の手順
1.移動力の付与
ルールに記述されている通りの移動力が与えられる。
単に「移動力を得る」とだけある場合は、1+移動の能力値分与えられる。
2.ブーストの宣言
ブーストの宣言をこのタイミングで行う。移動の処理を開始してから遡って宣言することはルール上認められない。
3.移動の処理
ルールに記述されている通りに移動力を消費して移動するルートを決める。
特に記述がない場合、1マス移動する毎に1移動力を消費する。
この時、以下の制約が存在する。
・敵のいるマスを通過することはできない
・ユニットやオブジェクトに重なる位置に停止することはできない
・イニシアチブドミネーションの影響を受けて停止させられる位置の味方ユニットを通過することは出来ない
4.移動の確定
移動力が0になるか、イニシアチブドミネーションを受けたか、その他特殊ルールによる移動停止効果を受けたか、それ以上移動の必要がないと感じたら、確定を行う。
確定した時点で、移動力は失われる。
攻撃の手順
ルール説明に「○○攻撃を行う」とある場合、○○攻撃という名前の能力値を参照した攻撃の処理を行うと言うことを意味する。同名のアクション名と区別するためアクション名の場合は「〇〇攻撃」と表記する。
この記述があるアクションを実行するときはこの項目を参照する。
そのアクションで使用する○○攻撃の能力値の事を使用能力値と呼ぶ。
攻撃ユニットの側を攻撃側、対象ユニットの側を対象側と呼ぶ。
1.対象の選択
まず、攻撃を行う対象を決定する。対象ユニットに取ることのできる対象はアクションの説明に記載されている。
「射程」とは自身からどれくらい離れたユニットを対象に取れるかを示している。[○○攻撃]という表記は攻撃ユニットのその能力値を上限に任意の値を代入出来る事を意味する。ただし攻撃に使われる能力値はここに代入した値だけ減じられたものとなる。
「最大捕捉」とは同時に何体のユニットを対象に取れるかを示す。表記がない場合は1である。無差別の場合、範囲内にいるユニット全員を意味する。陣営名の場合は範囲内にいる陣営ユニット全員を意味する。
※拡張
【拡張可能】の記述があるアクションでは、そのアクションの射程を射程が隣接ではない攻撃アクションのものに変更出来る。
拡張の記述があり実際に使用を選択したアクションを「選択アクション」、拡張に使用するアクションを「拡張アクション」と呼称する。
この時、拡張アクションで参照できる能力値は選択アクションで参照する能力値を上限とする。
2.ブーストの宣言
ブーストの宣言を攻撃側対象側両者この時点で行う。
まず攻撃側が宣言し、続いて対象側が宣言する。
対象側の宣言後に攻撃側が追加宣言するようなことはルール上認められない。
また、能力値を使用できないアクションであっても能力値が「0」であるものとしてブーストを行うことができる。
3.ダイスロール
あらゆる攻撃に伴うダイスロールとそれによる能力値への加算や減算はこの時点で行われる。
なんらかの特殊ルールなどによって能力値が変動する場合などもこのタイミングで実行される。
4.彼我の能力比較
1や3を経て変動させた後の能力値を比較する。
攻撃側は使用能力値、対象側は各ルールで設定された能力値、記述がない場合は防御の能力値である。
攻撃側の能力値-対象側の能力値の結果を「ダメージ」と呼ぶ。
この時、ダメージが1以上であった場合を特に「実ダメージ」と呼ぶ。
5.ダメージの適応
対象側のVPをダメージ分だけ減らす。
態勢の処理
自身に自発的に付与する特殊な状態の事を「態勢」と呼ぶ。自身につけられる態勢は常に一つで新しい態勢を付与するとそれ以前に付与されていた態勢は消滅する。この以前の態勢を破棄して新たな態勢をつける事を「変更」と言う。
また態勢は自身の手番開始時に解除される。
ベーシックルールには以下の態勢がある。
「反撃態勢」は付与されている間、隣接するユニットから攻撃を受けた攻撃処理の終了時、自身から攻撃ユニットへの「射程:隣接」の攻撃アクションを処理する。
「協調攻撃態勢」は付与されている間、自身の使用可能ないずれかの攻撃アクションの射程内に存在するユニットに攻撃を仕掛ける時、もしくは、隣接するユニットが攻撃を仕掛ける時、攻撃側のブーストの宣言時に「協調攻撃」を宣言出来る。協調攻撃を宣言すると、攻撃ユニットに協調トークンを付与出来る。協調トークン分のダイスロールは自身が行う。望むなら、協調攻撃宣言と同時に自身もダメージブーストを宣言する事も出来る。協調トークンはその攻撃の処理が終わると消滅する。
「協調防御態勢」は付与されている間、自身と隣接するユニットが攻撃を受けた時、対象側のブーストの宣言時に「協調防御」を宣言できる。協調防御を宣言すると、対象ユニットに協調トークンを付与出来る。協調トークン分のダイスロールは自身が行う。望むなら、協調防御宣言と同時に自身もダメージブーストを宣言する事も出来る。協調トークンはその攻撃の処理が終わると消滅する。
「防御態勢」は付与されている間、自身が対象ユニットになる度に「防御トークン」が付与される。攻撃の処理中に緊急態勢変更でこの態勢になった場合、即座に「防御トークン」が付与される。「射程:隣接」の攻撃アクションが使用可能なユニットは、防御トークンをダイスブーストに使用した時、そのアクション用の能力一つを選び、その能力値をブーストに加算できる。防御トークンはその攻撃の処理が終わると消滅する。
ブースト効果
そのシチュエーションに合致した成功要素かトークンと呼ばれるリソースを使用する事で一時的に能力を強化したり、特殊な行動を取ることができる。
ブースト効果には共通して以下の制約がある。
・一つの成功要素は一戦闘に一度までしか使用できない
・一時成功要素は1ターンに二度までしか使用できない
・成功要素と一時成功要素の使用状況は全てのブースト効果で共有される
・ダイスロールに対するブーストの場合、ダイスロールを行う前に宣言する
・能動側と受動側がブーストを行う場合、能動側、受動側の順番に宣言する
ダイスブースト
攻撃の「ブーストの宣言」のタイミングで使用可能なブースト。
宣言できるだけ成功要素やトークンを複数宣言可能。宣言した数だけ攻撃や防御にサイコロを振り出すことが出来る。
射程ブースト
射程に(B可能)と記述されている攻撃にのみ使用可能なブースト。
宣言できるだけ成功要素やトークンを複数宣言可能。宣言した数だけ射程を延長出来る。
最大捕捉ブースト
メジャーアクションで攻撃アクションを選択したときに使用可能なブースト。
宣言できるだけ成功要素やトークンを複数宣言可能。宣言した数だけ最大捕捉を増やす事が出来る。
移動ブースト
移動のタイミングで使用可能なブースト。
宣言できるだけ成功要素やトークンを複数宣言可能。宣言した数だけ移動力を延長出来る。
イニシアチブブースト
イニシアチブフェイズのタイミングで使用可能なブースト。
指揮能力のダイスロール直前に宣言する。GM側が宣言する場合は、GM側が宣言した後にプレイヤーが宣言する。
指揮能力のダイスをブースト分だけ振り足す事が出来る。
指揮能力がなくてもブーストする事は可能。
緊急態勢変更
任意の状況で処理に割り込んで使用可能なブースト。
自身の態勢を変更する。
射線妨害
射程が長い攻撃を行った時、攻撃ユニットから対象ユニットの間に他のユニットが存在する場合、そのユニットは射線妨害を行う事ができる。
ただし既に攻撃のターゲットになっているユニットは射線妨害を行えない。
射線妨害を行ったユニットは対象ユニットに代わり、攻撃の対象になる。
イニシアチブ・ドミネーション
攻撃時、イニシアチブの能力値が高い側のユニットに、ドミネーショントークンを1つ付与する。このトークンはその攻撃の処理が終了すると消滅する。
このイニシアチブの比較は対象の選択ステップを完了後、つまりブースト宣言ステップ開始時に行われる。また、複数のユニットを巻き込む攻撃となった場合、最大のイニシアチブを持つユニットにドミネーショントークンを付与する。
移動時、自身よりイニシアチブの能力値が高いユニットの隣接マスを通過することは出来ない。
この効果は任意のユニットに対して解除する事も出来る。基本的には自分と同じ陣営のユニットの通過を阻害する理由はないため、自陣営ユニットの通過は特に阻害する宣言がない限り阻害しないものとする。
VPが0になったユニットについて
VPが0になったユニットは「戦闘不能」状態となり、戦闘フィールドから除外される。
戦闘不能の詳細な状態については世界観やGMに一任しているが、基本的には「戦線離脱」扱い。つまり、その後治療を受ければ回復可能な状態であるものとして扱う。
もちろん、GMや世界観の殺伐さ次第では、戦闘不能を死亡と解釈しても構わない。この場合、GMはその旨を事前にプレイヤーに伝え、了承を得ておく必要がある。
戦闘終了
いずれかの陣営の持つ勝利条件が満たされた時、戦闘は終了する。特に設定のない場合、勝利条件は「自陣営以外の全滅(=戦闘フィールド上に自陣営のユニットのみの状態)」となる。
戦闘が終了した時、戦闘の勝敗に関わらずVPを最大VPまで回復させる。
ただし、GMが戦闘不能となったユニットにペナルティを設ける設定をする場合はこの限りではない