シナリオ:闇夜の後片付け[初心者向け]
※シナリオは敬体で記述しています
全容
本シナリオは日本の各地に散った、インドラ、カルナ、シヴァ、不動明王の4柱を倒すのが目的のシナリオです。
いずれもあくまで本物を模したもので本物ではありません。
シナリオ開始時点で、敵のうちカルナとインドラを手を結んでおり、また、シヴァは非常に強力な神性であり、最初に挑むには危険です。
このため、PCは不動明王、インドラとカルナ、そしてシヴァと順番に倒す事になります。
不動明王はPCに加護を、インドラとカルナはヴィシュヌの祝福を、それぞれ与えてくれます。
与えられた力をうまく使う事で、次の神性を倒せる、という寸法です。
また、撃破後に報酬として得られる武器は実体化の依代となっていた武器(つまり『聞き逃して資料課』において敵が使っていたそのもの)です。
敵の消滅と同時にコトリと地面に落ちるような演出を入れても良いでしょう。あくまで、本物を模したものですが、本物が一時的に宿っていたため、本物と同様の加護を持ちます。
ストーリー進行
導入
討魔師四人は如月討魔事務所に集められます。
討魔師として皆さんが選ばれた経緯は自由です。優秀だったから声をかけられた、募集しているのをみて引き受けた、本当は引き受けるはずだった人がダメになって声がかかった、など、様々なパターンが考えられるでしょう。
特にこだわりが無いなら、優秀だったから声をかけられた事にすれば良いと思います。
如月討魔事務所については『聞き逃して資料課』の2020/06/05付近の記述を参考にしてください。
世界観に不慣れなプレイヤーがいる場合はGMが、ここが討魔組という皆さんに仕事を斡旋、紹介してくれる組織の本部である事を説明し、
今から、如月アンジェという若いリーダーから説明を受ける旨を説明してあげてください。(『退魔師アンジェ』の主人公である事を添えても良いですね)
さて、そこまで説明が終わればいよいよアンジェから説明が始まります。
アンジェの言葉として以下の内容を読み上げても良いですし、GMが内容をかいつまんで説明しても構いません。
アンジェ「よく来ましたね。昨日まで私達が関わっていた朝鮮鐘盗難事件の犯人が、厄介なものを残してくれたらしいです。犯人そのものは対霊害捜査班が逮捕したようですが、手に余る残り物は私達に対処せよ、とのお達しです」
必要なら、対霊害捜査班が警察内の霊害(これも必要ならオカルトな敵性体のことだと説明してあげてください)に対処するための部門だと説明し、彼らの任務は犯人逮捕であり戦闘では無い旨、戦闘のプロフェッショナルこそが貴方達であること、などを伝えてあげてください。
アンジェ「敵は神性を模した"影"。不動明王、インドラ、カルナ、シヴァの四体です。最も厄介かつ危険なのはシヴァですが、これに突然対処するのは困難です。インドラとカルナを倒し、これに対抗する加護を得るのが良いでしょう。ところが、この二体は一緒に行動をしているらしく対処は困難です。まずは大日如来と同一視される不動明王から当たるのが良いと思います。うまくすればかの加護を得ることで対処ができるようになるかもしれません」
という事でアンジェが不動明王をはじめとした四体の居場所を説明してくれます。
さらなる人員の要請に対しては、「シヴァ達の足止めのために人員が必要である」と説明してください。
アンジェへの協力要請には「別件で私でなければ対処できない事態が発生中で、私もこの後でないとならない」と説明してください。
インターバル
ここでインターバルを挟みます。
プレイヤーキャラクターはこのタイミングでアイテムや成功要素の変更が出来ます。
このとき、もしプレイヤーが不動明王以外の討伐を望んだ場合、GMはアンジェの言葉を繰り返し、警告してあげてください。
それでも引き下がらない場合、本シナリオが初心者向けであり、討伐順番を変更するような自由度は保証されてない事を説明してください。
もちろん、GMがやってみたいと感じ、プレイヤー全員が反対しないのなら、このタイミングから上級者向けに変更しても構いません。
しかし、初心者向けという前置きで、始めたのですから、基本的にはそのプレイヤーに思いとどまってもらう方が良いと思います。
不動明王討伐へ
さて、不動明王討伐へ向かいましょう。
不動明王は石川県にいます。倶利迦羅不動寺本堂の方に移動中であるとの事です。
Googleアースなどで付近を確認してどこで戦闘に持ち込むなどかを考えてみても良いかもしれません。
ただし、何かを企んでもプレイヤー達が石川県に着くと同時に、不動明王はプレイヤー達の目の前に現れます。
不動明王は言います。「日本に仇なすつもりはない。だが、他の神がこの地を壊そうとしているのは許せん。倶利伽羅不動寺で力を蓄え、奴らを討滅する。しかし、それでは日本も大変な事になってしまうだろう。私の試練を受けよ、もし、汝が私の試練に応えられるなら、私の加護を汝らに貸し与えよう」
試練を受ける決断をすれば、戦闘が開始します。
不動明王のステータスと戦闘方法についてはボスについての項目を見て下さい。
[初期配置指示](クリックで拡大)
不動明王を倒す事に成功すると、不動明王は満足そうに頷き、皆さんに共有成功要素「不動明王の加護」と戦闘時、毎ターン開始時にエンドフェイズには消滅する「不動明王トークン」を得られるようになります。
また、アイテム「機械式火炎放射ブレード」を得られます。この武器はEP5で成功要素は全て「焼灼(武器)」です。
不動明王トークンについて質問があった場合、「不動明王の概念が有効な相手にはダイスブーストが+1d6ではなく+2d6になるよ」と教えてください。
これはこれ以降のトークンも同様です。
インターバル
不動明王を討伐したらインターバルに入ります。
装備アイテムの変更、成功要素の変更が出来ます。
インドラとカルナ討伐へ
続いてはインドラとカルナの討伐です。
二体は東京葛飾区の柴又帝釈天(経栄山 題経寺)にいるようです。
もし、プレイヤーが不動明王の加護について調べると宣言した場合、判定をさせてあげてください。
成功した場合、以下の内容を伝えてあげてください。
・不動明王は大日如来と同一視される。つまり、太陽の加護として扱うことが出来る。
・不動明王はシヴァと同一視される。つまり、シヴァの加護として扱うことが出来る。
不慣れなプレイヤー(何が出来るのかわからないプレイヤー)ばっかりだった場合は、「不動明王の加護がどのようなものか調べてみたほうが良いかも?」と誘導してあげてください。
あるいは、より自然に演出したい場合は、「不動明王の加護を得た旨をアンジェに報告してみたら?」などと言ってみましょう。この場合、アンジェから「それは素晴らしい。不動明王は色んな側面を持っています。調べてみて、有効に使ってください。私から細かく教えたいですが、すみません、今、戦闘中ですので切ります」というような返事がもらえます。もちろん、プレイヤー達が自分から提案した場合にも同じように伝えてあげてください。
それが終わればいよいよインドラとカルナとの戦闘です。
[初期配置指示](クリックで拡大)
もし、プレイヤーが不意打ちの案などを出した場合は、GMは自身の裁量に合わせて判定などをさせて成功した場合はいい感じのサポートを上げてください。例えば最初のターンに限り常にイニシアチブで相手に勝っているものとして扱う、など。
詳しいステータスと戦闘方法についてはボスについての項目を見て下さい。
不意打ちでない場合、カルナは広範囲射撃で味方全員を巻き込めるように配置します(初期配置指示参照)。そして初手で攻撃してきます。GMはこの攻撃が太陽による物であることを強調して下さい。トークンや加護の存在に気付かないようなら、さらに直接的に指摘しても構いません。
二体を撃破すると、「シヴァがこの地に残ることを容認することは出来ない」と告げます。プレイヤーが「自身が倒す」と伝えると、
二体はそれを聞き、インドラからは自身の持つヴィシュヌとの繋がりを無理やり使い、共有成功要素「ヴィシュヌの加護」と「ヴィシュヌトークン」を与えてくれます。(代償にインドラは消失します)。そして、カルナからはアイテム「鏡細工ヴァサヴィ・シャクティ」を与えられます。鏡細工ヴァサヴィ・シャクティはEP5で成功要素は全て「太陽の一撃(長物武器)」です。
ちなみにプレイヤーが伝えて来ない場合は、「自分たちはこれからシヴァを倒しに行くんだから、その旨を伝えてみたら?」と誘導してあげてください。
また、IFルートとして、戦闘中に説得を試みる可能性が考えられます。この場合、二体にシヴァ討伐の目的は同じであることを伝え、納得してもらう場合、判定が必要です。成功すれば、その時点で戦闘を終了します。
インターバル
二体を討伐するか、IFルートに突入したらインターバルに入ります。
装備アイテムの変更、成功要素の変更が出来ます。
シヴァとの決戦
いよいよシヴァとの決戦となります。
インドラからヴィシュヌの加護を得た結果、シヴァはヴィシュヌの反応を感知し、足止めを振り切って皆さんのもとに飛んできます。
逃げることもどうすることも叶わず、その場で戦闘が開始します。
データや戦法はボスについての項目を見て下さい。
[初期配置指示](クリックで拡大)
もしIFルートを進んでいた場合、シヴァは自分からはやって来ません。しかし、同じ東京で暴れているのはアンジェからの情報でわかっているので、そこに向かうことで戦闘することが出来ます。
この場合、インドラとカルナはそれぞれ、ボスのステータスの状態で参戦します。GMが制御しても良いですし、プレイヤーに委任しても構いません。
エンディング
見事シヴァを倒すと、エンディングとなります。
シヴァを倒したことでついに事件を解決したことになります。
不動明王とヴィシュヌの加護は消滅していきます。もしまだ使用していないなら「機械式火炎放射ブレード」と「鏡細工ヴァサヴィ・シャクティ」はそのまま残ります。
また、シヴァはアイテム「伸縮式トリシューラ」を残していきます。EP5で「三叉の突き(長物武器)/三叉の突き(武器)」のアイテムです。今後も継続してセッションを行う予定があるなら処理しておきましょう。もちろん、なくても今回の戦いの特典として演出しても良いでしょう。
IFルートの場合、インドラとカルナは満足気に消滅します。この時、「鏡細工ヴァサヴィ・シャクティ」を落とします。
また、キャラクターの一人に「インドラの加護」を与えてくれます。今後も継続的に続けていくつもりならこれは永続のものと設定しても良いです。
あとは報酬を得て、各キャラクターのその後を描きます。大きな戦いですし、祝勝会なんかを描いても良いですね。この内容はGMにおまかせします。
その後のお話
このシナリオがサポートする物語はここまでですが、討魔師達はその後も戦い続けるでしょう。
GMが望むなら自身でシナリオを作ってその後の様々な事件を演出しても良いのです。
消えていった神性の残したアイテムを使っていないなら、貴重な触媒として魔術師に狙われる可能性もあります。
IFルートでインドラの加護を得ているのなら、それを狙って襲われるような可能性もあるでしょう。
もちろん、それ以外の今回の件とはなんにも関係ない事件だって良いのです。討魔師達のその後はGMであるあなたの手にかかっています。
ボスについて
ここではボスの能力と行動指針について記します。
不動明王 |
<能力値> VP:15 近接攻撃:10 防御:5 |
<アビリティ> ・自動詠唱 ・大斬撃 |
<成功要素> ・火焔の一撃 |
<行動指針> ・基本的に「防御態勢」を取る。近接攻撃を受けた場合のみ、防御トークンで「反撃態勢」に変更。反撃攻撃を行う。 ・一度拾ダメージを受けた以降は隣接マスに攻撃可能な敵がいる場合、大斬撃で攻撃する。 ・火焔の一撃はこちらの攻撃を完全に防がれた場合にその相手に対しての次の攻撃の際にダイスブーストとして使用する。 |
インドラ |
<能力値> VP:15 遠隔攻撃:5 防御:5 イニシアチブ:5 |
<アビリティ> ・貫通射撃 ・指揮能力 |
<成功要素> ・雷の一撃 |
<行動指針> ・敵を狙える状況では必ず射撃攻撃を行う ・敵を狙えない場合移動する →接近しない方向への移動で狙える位置に敵がいる場合、そちらへ移動 →接近しなければ攻撃出来ない場合、最も近くの敵に接近移動 |
<特記事項> ・シヴァの加護が特に有効 (シナリオの記述にある通り不動明王の加護はシヴァの加護と同じものとして扱う) |
カルナ |
<能力値> VP:10 長物攻撃:5 移動:5 防御:5 |
<アイテム> ・太陽の加護 太陽の加護(遠隔攻撃)×5 |
<アビリティ> ・広範囲射撃 n=1(技名:ブラフマーストラ) ・詠唱 |
<成功要素> ・太陽の一撃 |
<行動指針>(上から順に優先) ・敵を2ユニット以上巻き込める場合、マイナーで詠唱しメジャーで大斬撃。「太陽の一撃」が健在なら使用。太陽の加護も1消費する。太陽の加護がなくなると使用しない ・遠隔攻撃持ちがいる場合、インドラへの攻撃を射線妨害出来るように移動 ・敵が長物武器で攻撃出来る位置にいるなら攻撃(可能な限り威力が高くなるように移動)(もし敵が1ユニットのみである場合、1マス離れた位置のユニットに攻撃する時に「太陽の一撃」でブーストする。 |
<特記事項> ・「太陽の一撃」「太陽の加護」による攻撃に対しては太陽に関する加護が特に有効 (シナリオの記述にある通り、不動明王の加護は太陽の加護と同じものとして扱える |
シヴァ |
<能力値> VP:30 長物攻撃:5 遠隔攻撃:10 防御:5 移動:5 イニシアチブ:5 |
<アビリティ> ・弱点部位持ち ・咆哮(波動を放つ) ・構造物破壊 |
<行動指針> ・基本的に遠隔攻撃での攻撃を狙う ・もし移動して長物攻撃で攻撃する方がダメージが大きくなりそうなら移動する ・弱点部位が露出した状態になると、咆哮を放つ |
<特記事項> ・ヴィシュヌの加護が特に有効 |